芦塚あきひろ

絞殺魔の芦塚あきひろのネタバレレビュー・内容・結末

絞殺魔(1968年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

冒頭に示されるように、実際に1960年代にボストンで起こった連続殺人事件の映画化である。
テンションは落ち着いているが、『仁義なき戦い』に似てるかも、と見ながら思った。

実際の事件の顛末についてはウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/絞殺魔
を参考にしている。間違ってたらすみません。

後半、映画が容疑者視点に移ってから、話が変わる。面白い。スプリット画面や現実と妄想が混濁する演出が、そこから生きてくる。

最後は容疑者が、自身の精神疾患と警察の尋問で、犯人であるような、犯行の再現1人芝居をして終わるが、確実に犯人かどうかはぼかされて終わる。
現実にこの容疑者は、別件逮捕というか、別に同地域で発生していた婦女暴行事件の犯人として裁かれている。

しかも、この映画が作られた後に、容疑者は独房で殺されている。その犯人は不明らしい。
現在は彼の絞殺容疑は、冤罪説も有力視されてるとかで、真相は不明。どうにも曖昧な様子。

映画としては、前述した分割画面や再現映像と尋問シーンが重なったり、なかなか実験的な試みがあって、60年代に、しかも実際の未解決事件の映画化だったにしては、ずいぶん挑戦的な内容。
最後の、白い部屋での尋問シーンもいい。それに容疑者役の演技が、基本的に落ち着いていて、異常者っぽい演技をほとんどしないのも良いと思う。

超能力おじさんの登場は面白かったので、活躍がもっと見たかった。実際にああいう人がいたのだろうか。
芦塚あきひろ

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