りぃ

ニンフォマニアック Vol.2 ディレクターズカット完全版のりぃのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ジョーはセリグマンに性体験がないのではと感じるが、構わず身の上話を進めた。父を亡くし結婚するも個性が消滅することはなかった。倫理など必要なく、人間の性質を極めて論理的に説明するかのような傑作。ミア・ゴスが可愛い。二部作の後編。

人間も生き物であり個体差があって当たり前。ジョーの一貫した考えの上に語られる内容には美しささえあった。出血するまで止められない依存症を細やかに描く。女性にしかわからない、とは言わないが自身のセクシャリティに悩む者は少なくはなく、その中でも私は反抗しないと決め全面的にアイデンティティを認め開き直るジョー。それでもPの前では弱い女に成り下がり、自分と重ね、守ろうとするも嫉妬しているように思えた。今年でいえばサブスタンスのような要素も持ち合わせ、失った若さや取り返しのつかないことに対して、虚無の世界へ移り住み、セリグマンに話すことで頭の整理をしているように見えた。セリグマンも一定の倫理を持ちつつ、トリアーお得意の論理的な方面で魅せる。この身の上話は贖罪であるのかもしれないが、どこか達観した表情も見せるジョーに惹きつけられてしまった。これから訪れる感情や罪、年齢を重ね改めて思い知らされた性差との戦いに対して残りの人生をどう過ごすのか。ラストは少し凡庸に感じたけど、2ルート選べるようになってて好き。作中で言えば、性癖を語り並べ小児性愛者のツボを探り当てるシーンが好きで、これまで上手く押し殺して生きて来たことに賞賛さえ感じたと言う話すシーンがすごく良かった。天才かなぁ?まぁ端に3+5がちょっとおもろい映画だよね!!
りぃ

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