あらゆる物を溶かす、強酸性の雨が人々を襲う。
人を溶かす雨の話は昔「魔鬼雨」があったが、これはオカルトじゃなくて、地球温暖化が招いた災厄と言う設定。
しかし映画は何を描く話なのか、イマイチはっきりしない。
冒頭、何かにプロテストする主人公が映し出され、彼は警官を殴って逮捕される。
彼の恋人に関することらしいが、結局何にプロテストしてるのか分からないまま雨が降り出し、主人公は別れた妻と娘と共に雨雲から逃げ回る。
ここでも、環境問題を全面に出してくるのかと思いきや、突然難民化する人々や、降り注ぐ酸によって破壊された街の描写は、どちらかと言えばウクライナやガザの戦争の風景を思い起こさせ、環境問題からはどんどん離れてゆく。
また主人公のファーストプライオリティーが入院中の今カノと会うことで、危険そっちのけで愚かな行動を繰り返すので、感情移入どころか途中から呆れて来る。
普通、主人公は最初は非共感キャラでも、物語が進むにつれて共感が持てる様に造形するものだが、この映画はなぜか逆。
では他のキャラクターはどうかと言えば、元妻も娘も主人公と大して変わらない位バカなのだ。
つまんなくはないが、メッセージ性もりもり?と言う感じに始まって、最終的に何が言いたいのか分からない、中途半端な話になってしまった。