akira

パッチギ!のakiraのネタバレレビュー・内容・結末

パッチギ!(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

主人公が熱しやすく冷めやすい友達とベトコンの映画を観てるシーンは、この映画の転換点だけど、僕にとっても重要なことが描かれている。
表現で政治的に社会が変わったことはない。表現で戦争は止められない。搾取される側の人間は飢餓に苦しんでいるというのにお前は表現者でいようというのか?
見たいものしか見ない偽善者ではないか。
と。

直接ではないけど、同じようなことを言われたことがある。青臭い若者同士、よくある議論なのかもしれない。パッチギ!という映画が、多くの人に影響を与え、ノスタルジーではなく、いがみ合おうが、理不尽だろうが繋がりたい、人と繋がりたいと願い、行動する。つまりこの映画そのものが、少々了見が狭い前述の表現批判に対する反論になっていないだろうか?そもそも、体験や現象に優劣なんてあるの?100万人救った人が、1人を幸せにした人より偉いの?価値観や既存の視点を変える力が表現。何が人の幸せなのか?は人によって違うことを教えてくれるのがいい娯楽作品のキモ。
主人公の康介は表現から逃げなかった。それを見ていたキョンジャは不条理から逃げなかった。大人たちはわかってくれない(社会は変わらない)が、二人の人生は変わったのだ。
akira

akira