怒髪猫なんじゃった

戦場のアリアの怒髪猫なんじゃったのレビュー・感想・評価

戦場のアリア(2005年製作の映画)
4.2
第一次大戦下の1914年のクリスマス🎄に、戦場で起きた史実に基づいて製作された戦争映画🎬です。


それは、クリスマス・イブの夜に起きた。

休戦協定があるわけではないが、クリスマスの夜くらい攻撃は無いだろうと、独国軍は塹壕にクリスマスツリー🌲を飾り出す。一方敵側の英国軍は、塹壕でバブパイプを奏で出す。

独国軍のクリスマスツリーに灯りが灯る。
小さな声で歌いだす。

それに合わせて英国軍のバブパイプが伴奏する。

独国軍の声がだんだん大きくなっていく。
英国軍も歌いだす。今迄、様子見だった仏国軍も歌いだす。

兵隊たちが、怖々とそれぞれの塹壕から這い出てくる。
とうとう、三国の将校が出て来て「休戦協定」をする。

酒を酌み交わし、歌を歌い、語り、戦場がクリスマス一色に変わっていく。不思議なまでに其処には敵も味方もない、争いもない、人間としての尊厳があった。
スポーツに興じ、トランプでゲームをして、束の間の休息があった。



後に兵士たちが、其々に家族に送った手紙を検閲されて、それぞれ軍の上層部が知るところとなり、独・英・仏国軍ともにその時の兵士たちは、敵側と通じた反乱軍とも言われ、最前線へ送られた兵士もいた。


如何に戦争は理不尽で酷く無意味なものであるのか‼︎
命の危険の無い所にいて、命令を下す愛国者と云われる権利者たち‼︎
しかし戦場では、毎日多くの若い兵士が死んでいく‼︎


そんな愚かな戦争を、断罪するかの様な、ピュアで温かなこの戦争映画に、胸が熱くなります。