非常に好きでした。肩の力を抜いて作られたような軽やかさのある不思議SF映画。
- 少年の恋物語であり、画家としての成長/出世物語であり、ビジネス失敗物語であり、家族物語である。
正直どれを取っても中途半端だったとは思うが、画家を生業にしている身からして終始おもしろく拝見した。人間とヴァーヴが共存する世界は貧富格差が激しく生活困窮者で溢れる。しかし人間は人間なりに努力しヴァーヴ語を習得しようとしたり、より良い生活や仕事を得るため彼らの需要に合わせに行ったり…と互いに歩み寄っている。ヴァーヴがまだ人間に興味関心を持っているから良いものの、愛想を尽かされたら終わりだなと思った。幸いそういう展開はなくて良かった。
・劇中に出てくる数々の絵が良かった。それぞれにタイトルと年数が表記されてて、絶妙な風合いの絵画がこの映画の格を効果的に上げていたようにも感じる。
・ヴァーヴたちのデザインも絶妙に気持ち悪くて、不恰好で、でも可愛くてまさにこれこそ人間芸術(?)。触角ではなくヘラ(?)を擦り合わせて会話する発想とか…すごいな。
・失職した教員の先生、わざわざ学校で死ぬ必要あったかな。「良い先生だった」と言われてるけど、子供達にトラウマを植え付けるようなことしてるしどうなんだろと思う。(映画の演出的に看板に飛び散った血のカットを見せたかっただけなんだろう)
・主人公の少年とヒロインの子の恋愛リアリティショー視聴率で金を稼ぐ発想も面白かったし、地下に住む居候一家のお父さんが途中で妻に成り替わるのも面白かった。それで良いんだ(笑)となった。
-さいごに
ブラピがExecutive Producerとして関わってたのか。彼が関わる作品は個性的で面白い作品が多い気がする。
2700万ドルの契約を白紙にしたのは確かに惜しいことをしたが、自分の絵に謎の編集とかされたら誰でも嫌だし向こうが悪いさ。
今後のキャンベル家の運命やいかに。
幸せになってもらいたいな。
いつかまた観返したい。