アベ二ティKazumaAbe

もうひとりいるのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

もうひとりいる(2002年製作の映画)
3.4
自分と同じ顔の人間に会うと死ぬ、ドッペルゲンガー現象をモチーフにした邦ホラー。3人の中学生アイドル達が撮影で訪れた廃校で”自分”から逃げ惑う話なのだけど、これがなかなか悪くなかった。

①最初の分身が登場するシーンの不気味さ、②自分の分身にはダメージが著しく反映されてしまうといった設定、③身体が捻じれたりイナバウアー状態で絶命していく被害者等、予算・技術不足をカバーするアイディアの多様さが魅力的。一時間という短い尺の中でテンポよく畳みかける怪奇現象は努力賞、映像がちょっと安っぽいのはご愛敬。キャラクター紹介も全体の流れの中で端的に為されていて良い。ちゃんと怖がれるシーンもあり、ホラーを面白くするのは突然の轟音や死体そっくりの人形とかじゃなくて、しっかり練り込まれたアイディアなんだなぁとつくづく。ドッペルゲンガーがこの世に現れた経緯までしっかりお話の中で教えてくれる脚本のスマートさに星1つ追加で。

ゼロ年代の懐かしい映像効果もあって、世にも奇妙な物語の一遍的な印象。ぶっちゃけ低予算の邦ホラーとしてはここ最近観た中で一番面白かったです。