【最初はよかったけど】
アンジーお姐さんとジョニー・デップ、おまけに舞台は水の都ベニス、と来たら、大いに期待して見に行くのが当たり前・・・・・・なんですが、ちょっと尻すぼみでしたね。
冒頭から少しの間はよかった。パリに始まって、ベニス行きの特急列車で二人が出会い、そして超高級ホテルへ。そしてキスシーン、あたりまでは絶好調というか、期待どおりでした。
こういう映画は、単に筋書きだけの面白さだけではなく、書き割りのデラックスさが大事ですから、特急列車の食堂車だとか、超高級ホテルの贅を尽くしたスイートルームだとか、こういう高級感は絶対に欠かせません。その点、申し分のない出だしでした。
しかし、その後がいけません。キスシーンときたら、次は当然・・・・でしょ。なのに、デップがソファーで一人寝なんてね。ここで急激にこの映画はそれまでの高級感と緊迫感を失っていくのです。
その後の展開も、どうもイマイチで、脚本のひねりが足りませんし、アクションシーンも大したことがありませんし、全体としてワクワク感やドキドキ感や意外感が不足しっぱなしです。
ほか、色々言いたいことはありますが、一つだけ付け足しておくと、デップのダミー役、もう少しそれらしく振る舞わせないと、何のためのダミーか分からない。まず観客をちゃんと騙さなきゃ、映画になりませんよ。下手だなあ。
