Tラモーン

甘い人生のTラモーンのレビュー・感想・評価

甘い人生(2005年製作の映画)
3.8
イ・ビョンホンの韓国本国の作品を観たのは初めてかも!

なかなか強烈なノワール作品。日本の所謂イケメン俳優でこの映画は撮れないだろうな…と、2005年の時点でだいぶ差がついてたんだなと思ったり。

やっぱり主人公がイ・ビョンホンなだけあって彼の綺麗な顔立ちとか、アジア人でここまで…と思うほどカッコいいブラックスーツの着こなしにBGMはクラシックだし、美しさとスタイリッシュさにこだわった印象を受けた。

ソヌは表向きはホテルの支配人でありながら、裏社会の人間とも繋がりを持っていて、ボスであるカン社長の右腕。カン社長が海外出張に出る間、愛人ヒスの内偵の任務を受ける。彼の予想どおり若い愛人には男が出来ていた。本来ならば殺すべきだったその男をソヌは見逃してやることに。そこからソヌの不条理な人生の転落が始まる。

冷徹で暴力も厭わなかったソヌはヒスに惚れちゃったのが運の尽き。冒頭でもめちゃくちゃ冷静にチンピラに対処してるのに、ヒスと彼氏の間に押し入った夜の落ち着きの無さがなんとも切なくって情けない。
煽り運転してきたガキどもは不運だったけれども、気持ちの行き場がないほど惚れちゃったのね。

カン社長の不信と怒りを買ったソヌは追われる立場になるんだけど、受ける拷問がなかなかエグい。結局大ボスはカン社長なんだろうけど、色々出てくる敵キャラがちょっと多くて関係性が見えづらいのがちと残念か。
そんな中でもファン・ジョンミン!さすが!口の横の切り傷跡がエグい。出てくるなり黒電話で部下殴打しちゃうイカれっぷり。けど今作ではなんとなく小者っぽいのがまたよかったりする。

拷問、生き埋めからの倉庫での大立ち回りがめちゃくちゃカッコいい。イ・ビョンホンの頭の左側のあたりを視点にしたカメラワークが迫力ある。ラストシーンもそうだけど、2000年代前半の映画のアクションシーンはやっぱり『マトリックス』の影響を多少なりとも感じるよね。あ、この映画の意表を突いた武器はケータイのバッテリーでした📱

そして何故だかちょっとコミカルな武器商人との取り引き。密売人とロシア人の喧嘩が普通に面白い。オ・ダルスの雑な扱いよ…。

ラストシーンはなんとなく『その男、凶暴につき』に似てるような気がした。

正直ヒスのキャラクターが弱い気がして、一目惚れするかね?と思ってたのでまぁラスト付け足しも悪くはないのかな。
あ、そう言えばヒスの友達?役で一瞬映ったのはチョン・ユミですね!これで映画デビューだそうで。やっぱり可愛い。

イ・ビョンホンだから成立する作品かなという感じでした。
Tラモーン

Tラモーン