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あ、春のmuraのレビュー・感想・評価

あ、春(1998年製作の映画)
4.5
相米慎二、やっぱりすばらしい。ヒヨコで泣かせるか。

湯布院映画祭。佐藤浩市特集。期間を1日短縮し、しかも台風接近で、どうもネガティブな要素が漂っていたけれど、開催されてよかった。仕事は忙しいけど、これだけはやめられない。毎年のルーティンワーク。

バブルがはじけ、勤める証券会社も倒産の危機。妻は精神を病んで、薬を多用する。そこにあらわれる父を名のる男。この気品のない父が家族の雰囲気を変えていく…

図太く生きる父と繊細に生きる息子。いやいや、繊細に生きる父と図太く生きる息子ともいえるか。親子の関係の描き方か秀逸。

春が近づいて来る。節分、雛まつり、鯉のぼり、そしてヒヨコ…いつの間にか。「あっ、春」ってほどに。元気をもらえる。弱っていたら確実に号泣だなと。

しかし肝心なところはやっぱり長くまわすよね。そしてそれに応える役者たち。で、佐藤浩市もさながら、斉藤由貴ってやっぱりいい役者だなと。
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