カミワザ

インビクタス/負けざる者たちのカミワザのレビュー・感想・評価

4.2
仕事にちょっと行き詰まった方、悩みを抱えている方には是非本作のマンデラや、ピナールの姿を見てほしい。きっと何らかの活力を貰える筈。

という私は上司の「面白かった」との勧めで本作を観賞致しました。

アパルトヘイト(人種隔離政策)の物語はその時代背景から重く描きがちになりますが、ユーモアな台詞等を取り入れながら、堅苦しくならないよう工夫されています。

何よりも、マンデラ大統領を演じたモーガン・フリーマンが上手い。
彼の台詞に胸を熱くするシーンが何度あっただろうか。
剃刀の刃を喉元にあてられたような緊張感が何度訪れただろうか。
そして彼の揺るぎない意志は、南ア国民と共に、私の心も動かされるような感じ。

そんなシーンの中で特筆すべきシーンは、マンデラとピナールの茶会。
その中で多くは語らずともマンデラの意志はピナールに受け継がれる。
ピナールの心中はいかがなものか?としても、私にはそんな重圧は耐えられない。

ラグビーワールドカップの試合は力強く描かれていた。
ここは本作の政治的な部分と切り離して、スポーツヒューマンドラマとして見応え充分であった。
そしてスタジアムの観客との盛り上がりと共に、観賞者もシンクロしていくような演出が良い。
スプリングボックの主将フランソワ・ピナールを演じたマット・デイモンは、一回り大きくした体に役作りの苦労も伺えますがマンデラの意志を継いだ不屈の闘志が試合の中から伝わった。
本作は正に新旧の名優たちの熱演であったと言えます。

今作は、行動を起こす為の意欲が漲る映画としてお勧めの一本です。
カミワザ

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