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インビクタス/負けざる者たちのsoumaのレビュー・感想・評価

4.8
『27年も投獄されたにも関わらず、人間を許せるのは何故なのだろう』


めちゃめちゃ良かった!
なんとなく見始めたけど、最後まで引きこまれてノンストップ。
これが史実なんだから、人間って本当に凄い!

■前段
反アパルトヘイトの運動を武力で行ったネルソン・マンデラは
1964年に投獄され、27年間も投獄される。
そして時代は流れて、世論が反差別社会となり
1990年に釈放されてから、南アフリカの大統領となる。

■本編
そして、映画のメインテーマである
ラグビーチーム「スプリングボクス」へと移っていく。


しかし、この映画で本当に大切なことは
ラグビーチームが勝つことではなく
マンデラが目標としたことを達成するために
一貫して取り組んだことである。
民族和解を目標として
彼は差別時代の象徴であるラグビーのチーム名とユニホームの変更に断じて反対した。
マンデラの実現したい目標は、融和であり
決して反白人ではなかったのだ。
白人の誇りを踏みにじる手段ではなく
白人と手を繋ぐ手段を考えた結果である。

娘が白人に敵対心を持っていることに対して
自己の感情を優先してはならないと諭すシーンがあるのだが
これはマンデラがただの聖人ではなく
自分が成さねばならないと確信していることに対しての決意の表れであることが本当によく表現されている。

一番上のセリフは
ラグビーのキャプテンのセリフなんだけど
マンデラが人間を許すことができたのは
それがマンデラの目標であり
そのために何をすべきがが明確であったからに他ならない。
私は、民族和解だとか、宗教差別をなくしたいとか大それた目標はないが
それでも人生で何かを成したいという強い目標がある。
そのために自分が何をすべきなのかを考えさせられたことが
この映画を大好きな理由だ。

言葉で「白人を許そう」ということは凄く簡単なことだけど
それを実行することがどれほど大変なことだったのか。
それを行えたのは
あの詩が自分の中に常にあったからなのだろう。


*MEMO*
INVICTUS
ラテン語で「征服されない」「屈服しない」という意味らしい。
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