エジャ丼

インビクタス/負けざる者たちのエジャ丼のレビュー・感想・評価

3.9
「ひとつの願いが、本当に世界を変えた物語。」

27年の年を経てネルソン・マンデラが釈放され、1994年南アフリカ共和国の大統領に。人々には彼を不安視する声も少なくなく、国内は混乱に陥っていた。そんな国を一つにまとめ上げるため、自国開催のW杯を前にマンデラは当時低迷していたラグビー代表チーム「スプリングボクス」に目をつける。

弱小から見事に這い上がった奇跡の勝利!その裏にはマンデラの地道でひたむきな努力があった。不当な理由で逮捕され、27年間もの間刑務所での生活を送ったマンデラ。彼が獄中心の支えにしていたのは「インビクタス」という詩。1991年までアパルトヘイト政策が続いた南アフリカは、冒頭のシーンからも分かる通り黒人蔑視の風潮が存在した。そんな狂った社会で酷い扱いを受けてきたマンデラが「虹の国」を目指すために部下に伝えたのは『赦しこそ恐れを取り除く最強の武器』だということ。国の一致団結のために復讐ではなく「和解」を求めたマンデラの優しいという一言では到底表せない人間性がチームを栄光へ導く。「黒人だから」だめ?何を言っているんだ。「黒人でも」できる。いや、「黒人だからこそ」成功を成し遂げたのだ。