ああアンソニー・ホプキンス… 言うまでもなく名優ですね すべてをやり尽くした そんな満足感をもって死を受け入れる男 恰好よかったな 見事な演技でした
彼の語るひとつひとつの言葉に説得力があるんですよね だからそれに死神が魅せられて来るという突拍子もないストーリーですら真実味を帯びるというか 違和感なかったなあ ファンタジーが苦手な私でも
本筋から逸れるけれど個人的に一番印象に残ったのは長女(ヒロインの姉)と父親のやりとりでした
彼女は父親の誕生パーティを盛大にしようと躍起になっていました 大好きな父に喜んでもらいたい一心で でもそれは彼がほんとうに望んでいるものとは違ったのですが
優秀な妹とは異なりいつも空まわり気味の彼女 彼女は涙ながらに打ちあけます
｢妹への贔屓はいいの 私も愛してもらってるから｣ と
妹を見ると目を輝かせ優しく微笑む父 その姿を横目に彼女は育ってきたのだろう
才色兼備な妹を持つ平凡な姉の心境は痛いほどわかる 悲しかっただろうし嫉妬心もあっただろう
でも彼女はけっして卑屈にならず 妹に対しても父に対してもまっすぐな愛を注いできた その健気さがチクチクした 私と重なる部分があったから
そんな彼女が用意したバースデーケーキ 甘いものが苦手な父が無理して食べるシーンがまたよかった うれしくて泣いてしまったよ
彼女の夫もいいひとだったね 彼は死神に教えるのです 愛とは何かを
｢相手の欠点をも含めていとおしいと感じること｣
優しいひとと巡り会えてよかった
