Narmy

ジョー・ブラックをよろしくのNarmyのレビュー・感想・評価

3.8
会社社長のビルは65歳の誕生日を目前に控え、空耳が聞こえるようになる。
ビルには父親の誕生日パーティの準備に奔走するアリソン と情熱を持った恋愛をまだできていないスーザンという2人の娘がいる。
父親に情熱を持った恋愛について説かれた後、スーザンはカフェで稲妻にうたれたような出会いを経験するが、、

死に神が現実世界にやってくるという、ファンタジー設定なんだけど、次第にその違和感は薄れ、現実的なストーリーにじわじわ引き込まれる。

一つ一つのシーンに時間を割き、関係を築いていく様子、それぞれの人となり、一人一人の揺れる気持ちまで丁寧にえがかれているため、長すぎて退屈に思う気持ち半分、今その場を生きているような温かい感情に包まれて心地良さ半分といった感じ。

恋愛がメインかと思いきやそれ以上に家族愛、師弟愛、友情と人としての愛が詰まっていて、ラスト付近は涙がとまらなかった。
きっと若い時だと感じなかった死への実感が湧いてきたせいかも。

ブラピの一人二役の演技もラストにはしっかりとその違いを見せつけ、ジョーの瞳の奥の思いを受け止めたスーザンの気持ちに違和感なく寄り添える。
限りある命を生きることの意味が少し分かったような気がする。
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