Ricola

恋人たちの予感のRicolaのレビュー・感想・評価

恋人たちの予感(1989年製作の映画)
3.8
「男と女は友達になれない」
このテーマはだいたいの人がしたことのある論争の一つだと思うが、これは正解とも不正解とも言い難いだろう。

そしてこの言葉は、この映画で男が女に向かって放つ台詞である。


メグ・ライアン演じるサリーと、ビリー・クリスタル演じるハリーの、学生時代に出会ってから10年以上の月日の間の関係の変化を、時系列順に描いたラブコメディ。

最初の頃はいがみ合っていた二人。
運命の悪戯か、二人は偶然に何度か再会し、どんどん友人として仲良くなっていく。

二人ともそれぞれの友人に、ハリーまたはサリーについて相談もしくは愚痴を吐いていたりしている。
時が経つにつれて、その内容が少しずつ変わっていく。

老夫婦が自分たちの馴れ初めを語る場面を彼らの出会いの節目ごとに挿入することで、いろいろなカップルの形があることを示してくれる。

最初はあまりお互い好印象でなかったこともあり、自分の気持ちに素直になれなかったり、単にすれ違ってしまったりと、もどかしくてドキドキする。

特に好きなシーンは、ハリーとサリーがそれぞれの親友に同じタイミングで電話をし、会話も同タイミングで進行しちゃうシーン。
それもその親友たちは隣同士にいるという…笑 
軽快なテンポと見事な連携(?)によって、なんとか乗り越える様子に笑ってしまう。

あともう一つ印象的なシーンは、家具屋でカラオケマシーンで気持ち良さそうにハリーとサリーが歌っていたら、ハリーの元彼女が今の彼氏といるところを見つけてしまうシーン。
呑気でゆるい空気から、一気に気まずさやらショックやらで重い空気になってしまうのが、なんともいたたまれない…。
だけどコメディという安心感を、彼らの演技から思い出せる。

メグ・ライアンの自然体なキュートさと、ビリー・クリスタル演じるハリーの飄々としているけれど傷つきやすいキャラクターのやり取りが面白くて、かわいくて、あっという間に時間がすぎてしまった。

ラストシーンのかわいさなんて、嬉しくなった。
Ricola

Ricola