ミラーズ・クロッシングの作品情報・感想・評価

「ミラーズ・クロッシング」に投稿された感想・評価

凡努

凡努の感想・評価

3.5
雰囲気が良い映画。
主人公が情けなく、何がしたいのか分からない。裏切り、裏切ったことでボコボコにされ。それでも感情移入とまでいかない。
銃の乱射が印象的。
キャラクターが多く、誰が誰の話をしてるのかがあやふや。
命乞いのシーンが1番印象的
sleepy

sleepyの感想・評価

4.5
帽子は頭を求める  ****


原題:Mirrors Crossing、90年、115分。恐らく1920年~30年代の米地方都市、禁酒法下。乱暴に言うと2つの勢力の間をたゆたう男トム(G・バーン)を中心とした一種のノワールでありハードボイルド(発想元がハメットの「ガラスの鍵」「血の収獲」とのこと)。アイルランド系ギャングのレオ(フィニー)とキャスパー(ポリト)が一色触発の状態にある町で、「これは譲れんな」というトムの生き方に焦点を当てた作品。ギャングは出るがフィニーもトムもマフィアではない。

バーンはギャンブルと酒にしか興味がない。自分の心がわからない(「What’s heart?」とか言う)。空っぽの男。反面、譲れないガッツみたいなものを秘めている。しかし帽子がないと空っぽの自分に耐えられないように彼は帽子にこだわる。帽子は彼自身、あるいは心の鎧のようなもの。自分にうまくフィットする「頭」を探す帽子。本作では、これを表するようにビジュアル、セリフに帽子が頻繁に登場する。なおフィニーもラストで喪失感を埋め合わせるように帽子をぐいっと被るのである。

米映画にはファムファタルという系譜があり、紅一点ハーデン(バーンを本気でグーパンする)がそれかと思ったが違った。周囲の人にとってファムファタル的なのはバーンだ。バーンとフィニーの会話を結末まで聞くとまるで男女の会話のよう。本作はどこか「男騒ぎ」の映画といえるかも知れない。本作をバーンとフィニーの出会いと別れを描いた束の間のプラトニックなラブストーリーと観ても面白い。いや、ハーデンを含めた三角関係の映画か。結局彼らは三人で居る訳にはいかないのだ。「ミラーの十字路」は彼らの人生の決断がなされる十字路。

以下余談:
まさに徹頭徹尾バーンの映画となっているが、俳優を見る映画でもある。タトゥーロ、ポリト、ハーデン、ブシェミ・・。抜きんでてフィニーの存在感は素晴らしい。取り分け「ダニーボーイ」が流れる中、襲撃され反撃するシーンは、行為と結果がアンバランスかつあまりにも冷静で・・。そして陰鬱でシックなバリー・ゾネンフェルドの撮影(画調・動き・レンズ選択ともに素晴らしく、森の撮影に痺れる。市街ロケはニューオリンズ)、小道具、名コンビのカーター・バウエルの音楽監修どれも素晴らしい。映画の顛末が彼の図ったことなのか、行き当たりばったり・偶然の産物なのかは判然としない。恐らく後者だろう。またミステリに主眼を置いたものでもない点がコーエンらしい。コーエン兄弟の、どこかで観たことあるようで何にも似てない映画。眼を耳を離すことが難しい。

★オリジナルデータ:
Mirrors Crossing, US, 1990, 製作・配給20th Century Fox, 115min. Color、オリジナル・アスペクト比(もちろん劇場上映時比のこと)1.85:1(Spherical)、Dolby SR、ネガもポジも35mm

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ジョンタトゥーロの命乞いこそ至高
rana

ranaの感想・評価

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2017.03.09/自宅(レンタル)/DVD/英語/日本語字幕
アイルランド系とイタリア系のマフィアの抗争に巻き込まれた男の運命を描いたコーエン兄弟のハードボイルド作品。

まさにハードボイルドという言葉がぴったりの、冷酷なバイオレンスを静かに描くギャング映画。独特な雰囲気がありました。

ただ、個人的にはあまりストーリーの盛り上がりを感じられず、本作の特徴でもあるはずのコーエン監督ならではのウィットに富んだテンポの良い会話を楽しむこともできず、世界観にハマれないまま終わってしまったのが残念。

終始ポーカーフェイスのガブリエル・バーンの演技、ジョン・タトゥーロの命乞いのシーンなどは印象的だった。
ko0

ko0の感想・評価

3.5
コーエン兄弟のマフィア映画。
コーエン節というのでしょうか、少しややこしめのストーリーと容赦ないバイオレンス、これらの雛形的作品。
すぐに切り替えて泣き言をいうジョン・タトゥーロ。
ジョエル・コーエン監督作品。
禁酒法時代のアメリカ東部。アルバート・フィニー演じるアイルランド系マフィアのボスであるレオとガブリエル・バーン演じるボスの右腕トムの元に、イタリア系マフィアのボスのキャスパーが来て、八百長の金をかすめとるジョン・タトゥーロ演じるバーニーを始末したいと相談に来るが・・・という話。

嘘、裏切り、損得勘定による関係等話がいりくんでいる。全て計算だけでなく、偶然も事の運びに影響する。ストーリーを頭で考えながらじっくり鑑賞した。

出てくる人物に良心的な人がいない。また主人公は全く表情を変えない。
老いたアルバート・フィニーを見るのが新鮮。メイド姿が良かった。

アイルランドを意識して、小物類、森などが真緑で美しい。
撃たれて死んだ後も機関銃は連射され続けるという演出。
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