白

アキレスと亀の白のレビュー・感想・評価

アキレスと亀(2008年製作の映画)
4.0
芸術は理論付けされることでその意味や価値が揺らいでしまう。芸術における達成は自己主張だけでは敵わず、権威ある他者の一言に大きく依存している。物事を一心に続けることは難しく、大抵は"好きだけど"諦めてしまう。だからこそ誰にしも善き理解者が必要なのであり、その愛情のお陰で"好きだから"と言い続けることができる。
漸次的に時間を追うも、いずれの期間も主人公のドラマに丁寧に肉薄しており北野映画特有の即物的なサプライズの演出がある。
北野武が扮する主人公のキャラクターに過去とのギャップは感じつつも、緩急のメリハリは相変わらず良く、笑劇要素が普通に面白い。北野武の吐く台詞のリズムが好きなのかもしれない。名役者だと思う。
白