三隅研二監督と市川雷蔵による「剣三部作」の第二作。
剣の道に生きる剣道部主将の生き様を中心に描いた作品。
謹厳実直に生きる国分次郎は、大学の剣道部に所属している。
同期の賀川も主将候補ではあったが、国分が選ばれる。
国分主将による練習はとても厳しく、ペナルティによる正座40分等、妥協を許さない。
そんな中、生真面目を絵に書いたような国分に対して、賀川と伊丹真里はハニートラップを仕掛ける。
その後、剣道部は合宿へ行くのだが…
まるで真っ白の紙に文字が綴られていくかのような映画。
シンプルで綺麗な映像と、考えさせられる内容は、本当に本のようだった。
雷蔵は勿論だが、真里を演じた藤由紀子の存在感が素晴らしい。
原作の三島由紀夫の考え方、正義が詰め込まれた作品でもあり、ラスト後の余韻のどっしり感が凄まじい。