Aika

ぼくを葬る(おくる)のAikaのレビュー・感想・評価

ぼくを葬る(おくる)(2005年製作の映画)
3.8
「それが何になる?」

死を宣告された写真家のラモンは、日々の出来事ひとつひとつにそう問う。

そうして余分なものを削ぎ落とすことで、彼自身が剥き出しになっていく。

言わないことが決して狡いとは思わない。
死と向かい合うことは、生と向き合うことと同じ。
自分で選択できない生より、死は自由であってもいい。

彼が撮り続けた写真は、言葉より明確に彼の想いを伝えるはず。
どうか彼の大切な人たちに届きますように。

そうして最後までカメラを抱えていた彼は、
波の音に心を解放し、海に溶けていく。
なんて美しいラストシーン。


よい意味でオゾン監督過ぎない作品でした。
Aika

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