Jeffrey

夜空に星のあるようにのJeffreyのレビュー・感想・評価

夜空に星のあるように(1967年製作の映画)
3.5
夢と現実の間で揺れ動きながら生き抜く女性を描いたケン・ローチの長編映画デビュー作で、昔に廉価版で発売されたDVDを購入してみて良かったの思い出し、今回キングレコードから発売されたブルーレイディスクを購入して10年ぶり位に再鑑賞したけどやはり良い。この作品は1960年代イギリスを代表するカリスマスターのテレンス・スタンプの起用で、音楽はイギリスフォークロックの巨人ドノヴァンをチョイスしており、スタンプは後にサイコキラーを演じたコレクターでカンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞して、その後アート系作品からハリウッド大作まで華麗なるキャリアを誇るのは言うまでもない。

またJoy!!を演じたキャロルホワイトは、本作に置いてカルロヴィ国際映画祭で主演女優賞受賞している。劇中で、60年代中盤にロンドンで生活する労働者階級の暮らしを、優しい歌声で包み込むように歌うのは、ビートルズのジョンやポールとも親交があったロック界のレジェンド、ドノヴァンである。カンヌ映画祭でパルムドール賞2度受賞しているケン・ローチ監督は、80歳を超えてなお、新作を発表している。デビュー以来一貫してリベラルの立場に寄り添った映画作りで世界の映画人からリスペクトされており、格差社会、貧困、人種差別といった社会問題を取り上げ、労働者階級やときに第三世界からの移民たちの日常徹底したリアリズムで描いてきた監督は右派サッチャー政権家では不遇の時代を迎えていたが、90年代以降大復活を遂げた不屈の映画作家なんたなぁーと。

プロアマ問わずないキャスティング、ロケ撮影中心に、大胆なシーンの省略、即効性など、監督の映画に見られる特徴を処女作である本作において既に見える。夢と現実の間で揺れ動きながら生き抜こうとする女性を静かに見つめる監督の視線の暖かさは、半世紀以上経った今も不滅の輝きを放って観客たちに感動与えてくれる。この作品を主人公の女性のモノローグがめっちゃあったの忘れてた。全体的にケン・ローチの作品て感じ。
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