マイケル・マンのおよそ10年ぶりの長編映画監督作。レースに全てをかける男たちの熱いドラマかと思いきや、妻と愛人の間に挟まれてアタフタする男の話。
ほぼ常時グラサンで表情が見えない主人公と対照的に、感情剥き出しで暴れまくるペネロペ・クルスが豪快で良い。
ここまで達者な役者ばかり揃えておきながら芝居に頼らず、フラフラとどこかへ歩いていく主人公の姿がキャラクターを立てていたり、演出の巧みさが作品全体を牽引していることは流石としか言いようがない。一方、肝心のストーリーは微塵も面白くないので、やはりマイケル・マンには銃撃戦を撮ってほしいと思ってしまう。
何度かアダム・ドライバーがアル・パチーノに見える瞬間があったので、「HEAT2」への期待が高まった。