Soichiro

利休のSoichiroのレビュー・感想・評価

利休(1989年製作の映画)
3.6
画作りへのこだわりは強く感じるし、何だかんだお腹いっぱいになる。三國連太郎と山崎努が狭い空間で演技をぶつけ合う様は見応えある。が、関係の悪化が唐突で雑

「金の茶室には不思議な美しさがある」と言い切り、宗二には「ヒダの多い考え方」と評される利休。しかし、再会した宗二との会話やステハノへの問いかけがその裏に隠された利休の真意を克明に語っている。「いかなる名器名物も有って無いものにするのが果てしない茶の道」「藁屋根の茶室には何の飾りもない。しかし、そこに座る人々の心の中には名馬も及ばぬ優雅な心が漲っていなければならん」。モノは金だろうが何だろうが構わない。包容力のある考え方なのだから、ヒダも多い。大事なのは豊かな心

この辺りの価値観をもう少し秀吉との対決に生かすことができなかったのか。秀吉に怒鳴られた挙句、利休も利休でそれに乗って朝鮮出兵について意見しだす。「大方の大名は唐出陣を渋っておられる」なんて利休に言われてもな。それならそれで、利休と政治の関わりをもっと描くべきでしょ
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