はる

オカルトのはるのレビュー・感想・評価

オカルト(2008年製作の映画)
3.8
抜群に面白いモキュメンタリー!
とある観光地にて二人が死亡、一人が重症という通り魔事件が発生する。犯人の男はその後海に飛び込み行方不明となっている。ディレクターの白石晃士は被害者の一人で重症の怪我を負いながらも生還した江野祥平という男にインタビューをすると、不思議な事を話し始める彼に興味を持ち、密着取材することになる。
通り魔事件から神やUFO、未知の存在といった方向へ話が進んでいく。宇野祥平演じる江野祥平のキャラクターが絶妙で、最初は物腰の柔らかい温和な性格に見えるも、次第に図々しく、酒癖が悪いという面も見えてくる。江野が渋谷にて大規模な自爆テロを考えている事や白石が江野の考えに同調し始めるあたりからはさらに面白く、どんどん眉唾な展開になっていく。不思議な糸で繋がった江野と白石の友情の物語とも言える。ちゃんと不気味さもありつつ、かなり笑えるので、ホラーが苦手でも十分楽しめる作品になっていると思う。黒沢清が友情出演してる点も本作の魅力のひとつ。
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