※原作一部既読
原作完結と同時期に公開のシリーズ第4作目の劇場版。
今作の特徴の一つとして、雄英高校ヒーロー科1年A組や大人のプロヒーローらに出番を設けているところだが、本シリーズの世界観や個性の説明が必要最低限であるため、そこまでテンポの悪さは感じなかった（終盤の並行進行の展開は目を瞑る）。
また、画面内の描写から新キャラの個性が分かるようになっている。アンナの個性による花や髪が黒くなる描写に関して説明ないが、開花や黒のマイナスイメージで状況が掴める。
他の特徴として、本シリーズの見せ場である中村豊氏の扱い方が過去作と異なることが挙げられる。これまでは原画のみだったが、今作では絵コンテと作画監督も兼任（恐らくダークマイト戦終盤）。普段より長尺で中村氏らしい特異な画面が味わえる。終盤のアクション描写は見応え十分。
物語的には敵サイドの背景があまり明らかにならないのはいつものこと。大層な肩書きで学生相手に倒されるのもご愛敬。ダークマイトがオールマイトに心酔する過程の描写がもう少し欲しかったが、描写が少ないのが却ってオールマイトを表面的にしか見ていないことに繋がるか。
むしろ、A組生徒の一部行動が短絡的なのが気になった。床の穴に対して耳郎がいるのに何か落として反響音を確かめずとりあえず突入、敵の個性が不明な状態なのに全員で突っ込む など。
あと、ジュリオの機械化された体のギミックに言葉遣いの違いによる感情表現、アンナの強力な個性だがデメリットがある設定が良かった。
