お馬鹿パワー全開のB級魂が感じられる作品で、そこを楽しめるマニアにはお勧め。
「ナマケモノが殺人モンスター」ってアイディア一発ではあるが、これを映画化したパワーは感じることができ、B級ファンにはうける内容だろう。
ただ、「敵に見つからないために、超スローで動く」という強引な処世術で生き延びてきた生物「ナマケモノ」を、どうやって「モンスター」とするかが問題で、今作では「実は素早く動ける」という方法をとった。
しかし、これが逆効果。
CGなどを多用して、スターウォーズEP2のヨーダの戦いのような驚くような動きを見せどころとすればA級になれたかもしれないのだが、低予算が足を引っ張り、初代チャッキーより悲惨な映像。
また、ストーリーに女子大生やその寮の会長選挙などを絡めて、青春物のカラーもあるが、これは逆に邪魔になっている。
もっと「ナマケモノ」を前面に出したギャグで笑わせてほしかったが、これも中途半端。
鈍い動きのまま殺人鬼とした方が、笑いが作りやすかったと思うのだが、残念だ。
珍作の部類に入る一発物だが、B級ファン以外は話のネタに見ても損はない、という作品。
余談。
鈍い動きのまま、その鈍さをギャグとするべきだった。
その代わり、知能が人間以上に発達した突然変異とかにすれば、鈍い動きで人を襲うことが出来るだろう。
作中でも出てきたが、薬を使うとか。罠を仕掛けるもアリかな。笑