SRKEN

52ヘルツのクジラたちのSRKENのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
2.0
正義と悪の物語。もっと暗部を引き摺り出してほしかった。

全体的にテレビドラマの様な感じでした。
正直、演出や演技も好みでなく、重いテーマであるのにメロドラマの様な演出で重さがなかった。演技は演出で良くもなるし悪くもなるので分からないけどわざとらしく感じた。
ストーリーもとても現実に起こっている様々な問題を描いていて軽く描けない内容と感じた。そう今でもみる人を選ぶ内容で、正直に言ってこう言うテーマを描くのなら、ただの感情で描くのでなくもっと深く描いて欲しかった。
ただ自分を大事に思ってもらう事を主題にしているメンヘラ的な要素を多く感じた。(もちろん個人個人大切に思われないといけないのだが、ただ現実的でなく無償の愛を求める的なもの)

主人公の母親、愛の母親、愛人の描写がただの悪役で、その人達の悩みや苦悩は全くといって良いほど描かれていなく、ただただ悪役で、人物の深みがなく
逆に主人公や友人、ヒロインの正義感が強すぎる。苦悩は描かれているものの、ずるさや悪いところもあるともっと人間味がでて感情移入できたと思う。

友人なんかよく分からんまま仕事辞めて主人公に会いにくるとか、他にも色々と現実離れした行動が多く都合が良すぎる展開が多かったと思う。
また1番嫌だったのは"死"について何だけど、それによって物語を完結させる様な物は嫌いです。自死をしかも、タイミングよく起こさせて、下手な感動に持っていっているのは、1番冷めさせられた。

メンヘラな物語なんなら、もっと自分(主人公やヒロイン)の暗部を引き摺り出して社会や個人の問題点を曝け出す文学的な内容にもなり得るとても良い題材と感じたので、正直ガッカリしました。

とは言いつつも、鑑賞中少し泣いてしまったりしてしまい、内容的には面白かったです。
ただ、こう言う演出している、この監督の作品はもう観ないかな。
SRKEN

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