最後に「。」がつかない実写の方。
ほぼ同じタイトルの映画が、同時に公開されるのも珍しい。
数年前に母を亡くし、心にぽっかり穴が空いてしまった少女 美咲の物語。
父には新しい恋人が出来て、年の離れた姉は家を出る準備中。
家族の変化を感じとっているから、美咲は小さな抗いとして、不登校したり、プチ家出したりと問題行動を繰り返す。
変化を拒否する訳ではなく、ほとんど無意識の抵抗なのだろう。
美咲は様々なものに触れ、叩いて音を出す。
それはたぶん、実在の確認。
亡き母は「いるけどいない」から、触れられない。
世界は変わっていき、触れられるものは壊れたりするけど、触れられない思い出は変わらない。
子供視点の小さな世界を、60分でじっくり描いた作品だと思うが、登場人物がやたらと主語を抜いて話すのは気になった。しかも間が長い。
インディーズ系邦画にありがちな表現だが、実際にこういう風に話す人には会ったことがない。
饒舌がいいとは言わないが、個人的には勿体ぶって聞こえるから、あんまり好きでは無いな。