新年早々いい映画を観た!
まず、イ・ビョンホンの演技が終始凄まじい。ニコニコしてるけど目が笑ってない。口下手で頼りない感じで登場して、これどうなるんだろうと思っていたら、みるみるうちに住民の支持を集め、アパートは急速にカルト集団化していく。非常時に皆我が身可愛さで行動してしまうのも無理はない。なにせ外に出たら即凍死してしまう!真冬の韓国怖い。
サスペンスとしてドラマの構成もよくできている。最後まで展開が読めない緊張感が続くストーリーは素晴らしい。
メインのミンソンとミョンファの夫婦を中心に、登場するマンション住民も皆キャラクターとして個性的で印象に残る。婦人会のリーダーの女性が特に良かった。住民をまとめ上げ、息子を危険な外に行かせる様子は、息子を戦争に行かせる母親の姿なのかなと思った。
自宅(アパート)とは人が安心して暮らせる場所であり、人は皆その権利を持っているというメッセージが込められていると感じた。
マンション賃貸保証金詐欺(自殺者も出ている)や、韓国の集合住宅におけるヒエラルキーなどの社会問題を背景にしていることが伺える本作で、ラスト、ミョンファにかけられる言葉は、温かく、重みがある。