Inagaquilala

ネバーセイ・ネバーアゲインのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.6
1971年の「ダイヤモンドは永遠に」を最後に、ジェームズ・ボンド役から「引退」していたショーン・コネリーが、12年ぶりに「復帰」した作品。ジェームズ・ボンドが主人公でありながら、「007」と付かないのは、本来のシリーズを製作していたイオン・プロのものではないからだ。すでに50歳を超えていたコネリーが主演だけに、物語も、一度現役を退いたボンドが、リハビリとメンテナンスを施しながら、新たに任務に就くという話の入り方になっている。

実は、この作品はシリーズ第4作の「サンダーボール作戦」とは、「親戚関係」にあるもので、映画の脚本用に書かれた「James Bond, the Secret Service」が原作となっている。脚本は原作者のイアン・フレミングも含む3人の共同執筆だったが、これを元にフレミングが小説「サンダーボール作戦」を書き、それを原作として「サンダーボール作戦」はつくられていた。というわけで、この作品の大筋のストーリーは「サンダーボール作戦」とあまり変わらない。ということで、リメイク作品とも言われているが、厳密には異なる。

製作にあたっては、ほとんどショーン・コネリーが仕切っていたらしいが、製作費は3600万ドル、同時期に製作されていた本来の「007」シリーズの「オクトパシー」の2750万ドルの上をいくものだった。監督は、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」のアーヴィン・カーシュナー。ボンドガールとして、キム・ベイジンガーも出演しており、メイド・イン・イングランドというよりも、メイド・イン・ハリウッドというゴージャスな雰囲気が全体に漂っている。テレビゲームのようなマシンで、ボンドが悪役のラルゴと競う場面が、この時代にしては先を行っていた感じがする。
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