とっとこハゲ太郎

知りすぎていた男のとっとこハゲ太郎のレビュー・感想・評価

知りすぎていた男(1956年製作の映画)
3.1
1955年制作と、サスペンス映画としては古い時代のものであるにもかかわらず、サスペンスの醍醐味がギュッとすべて詰め込まれていた濃厚な作品だった。(特にオペラホールのシーンから一番最後までは緊張しっぱなし!)

マラケシュとロンドンの2パートに分かれているが、正直描かれ方に格差を感じたのは気のせいだろうか?(マラケシュのは恐らくスタジオ収録か?一方ロンドンは現地ロケ撮影だった。)

また、同じく子供の誘拐をめぐる駆け引きを描くサスペンスとしては黒澤明監督の「天国と地獄」があるが、こちらは早くから警察が捜査に乗り出していたのに対し、今作はベンがなかなか警察に協力したがらなかったのが興味深く感じた。日本人の感覚からすると「なんで?」と感じた点だったが、これは自助の精神に基づくアメリカ人の国民性からくるものだろうか?(的外れな場合はごめんなさい…)

あとは、何がどうなってこういうことになったのか、という作品内での状況説明が不十分なように感じた。結局なぜ暗殺が企てられたのかがわからなかった。