【混血の国で生きること】
アラン・パーカー監督×ジーン・ハックマン出演×ウィレム・デフォー共演による実話を基にしたサスペンス作品
〈あらすじ〉
1964年の夏、行方を絶った三人の公民権運動家の捜査のためミシシッピーにやって来た二人のFBIエージェントのアンダーソンとウォード。予想以上に厚い人種差別の壁に阻まれながら、捜査は難航する…。
〈所感〉
実話であってほしくないが、非常に白熱したアメリカ南部の人種差別をテーマにした捜査劇。やはり、敵は白人至上主義団体のKKK。南部出身で人情深く血気盛んなジーン・ハックマン演じるアンダーソンとエリート気質で冷徹なウィレム・デフォー演じるウォードがタッグを組み捜査を進めるが、閉鎖的なミシシッピーの住民によってなかなか進展しない様がノンフィクションであり、映画的には焦れったいが、なかなか面白かった。正義の皮を被った保安官までもが手を組んでいるとあっては泥沼。あまりにも酷すぎて笑えない。黒人女性が歌う「試練の中で笑うのは難しい」という言葉がすべて。しっかり目には目を歯には歯をで落とし前を付けさせるアンダーソンの骨太さになんとか救われる。我々日本人にはなんとも考え難い世界史の壁だが、だからこそ少しでも理解を深めたい。そう思います。