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ミシシッピー・バーニングのLATESHOWのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
3.9
バージニア州知事の
人種差別主義者達に対するコメントを聞いた日に、
ふと観たくなったのだった。
職人気質なアラン・パーカー監督による
苛烈なヘイト描写に、
思わず悔し涙が滲んだ。

ファーゴのオバさんポリスこと
フランシス・マクドーマンドの苦悩が重い。
生まれつきヘイトを抱いていたんじゃない、南部奥地で生まれて、聖書にも差別があると教わって、七つにもなればそれが正しいと信じ込んで、ここで息をして生活して、そして結婚して死んでいくのよ。何もかもが醜いわ...。

白人の公民権運動活動家がいなきゃ誰も騒がなかったはずさ、と
南部育ち故に現実の救えなさを知り、
そして同時に苛立つジーン・ハックマンが
理想主義なウィレム・デフォーを引っ張っていくのだが、
結局、二人も憎しみに駆られ
暴力を伴う非合法スレスレの解決に踏み切ってしまう。

レイシストのアングロサクソン万歳な演説に
なんの疑問も抱かず喝采と拍手を送るプアーホワイト。
会話するだけでリンチに合うからと、関わりを避ける黒人達。
これはいったい誰のせいだ。
差別主義者をぶっ飛ばしてハイお終い、じゃ済まない、南部湿地帯の泥沼よりも深く暗い絶望を垣間見た。

ベースボールはいいねぇ、黒人が唯一白人を棒で叩けるのがねぇ〜(ニヤリ)
この白い花の名前は?あちこちに咲いているね、とても綺麗だ、しかし匂いはよくないねぇ〜(ニヤリ)

意味ありげに話してくるジーン・ハックマンの
酸いも甘いも噛み分けた
叩き上げ捜査官っぷり、
敵に回したくないです笑
フレンチコネクションしかり、許されざる者たちしかり。
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