morimotoseiichi

ミシシッピー・バーニングのmorimotoseiichiのレビュー・感想・評価

ミシシッピー・バーニング(1988年製作の映画)
4.0
2020年5月20日(水)に鑑賞。DVDを所有していたと思うのだけど、引っ越しをしたときにどこかに紛れてしまったのか探しても見つからなかったので、ゲオで借りてきて鑑賞。

きちんと観たのか観てないのかすらわからないぐらい、観たとしても中学生のときぐらいで、ともかく、少なくとも部分的には観た記憶はあるのだけど全部観たかどうかまではわからず、きちんと観ようと思ってDVDもきっと買ったはずなんだけどなかなか観るには至らないままいままで来て、先日『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観たあとになんだか急に観たくなったので今回ようやく観るに至ったという作品。

すばらしい。いろいろ不満はあるけど、やっぱりすばらしい。名作。

FBIのアンダーソン捜査官とウォード捜査官のコンビが対照的でいい味を出している。ミシシッピー州(町長による出身地を尋ねる質問に”Thornton, Mississippi, sir. Just a spit from Tennessee.”と答えている)出身で保安官だったアンダーソンと、年下ながらエリートの上司ウォード。ウォードは実直なんだけど、彼のやり方は結果としてさらなる犠牲者を生む、アンダーソンのやり方は非合法的だけど、それがなければものごとが前に進まないという現実がある。

アンダーソンがモーテルで父親についてウォードに語る場面「黒人を憎んだ おやじの本当の敵は貧乏だった(With an old man so full of hate, he didn’t know that being poor was what was killing him)」というのは、現代の差別や偏見、排外主義にも通じるのではないかと考えさせられる。