みんと

靴みがきのみんとのレビュー・感想・評価

靴みがき(1946年製作の映画)
4.0
言わずと知れたネオ・レアリズモの代表作をやっと鑑賞。

第二次世界大戦直後の荒廃したイタリア社会で靴みがきをしながら懸命に生きる二人の少年。彼らは馬を手に入れる為に知らずに強盗の片棒を担ぐ羽目になる。
そして送られた少年院で別々の独房に入れられ、次第にお互いに疑心を抱き始めるのだった……。

いや~もう辛い、辛すぎる。
覚悟してたとは言え、容赦なさすぎる。

決して根は悪い子じゃない。時代が社会が大人がそうさせる、余りにも子供にとって不幸を強いられる作品だった。

以前ヴィットリオ監督作品を鑑賞した際、心を揺さぶり名人監督認定!とレビューした事があるけど、いやいや久々に心を抉られた。根こそぎ持ってかれた。
1ミリの救いもないラストに、暫く立ち上がれなかった。

貧しさゆえ人間の心が荒み、子供の純粋さを踏み躙る…
ネオ・レアリズモの救いのなさの中に、とてつもない焦燥感と絶望感に打ちのめされつつも、ハッピーエンド以上に感じるところの大きさと普遍性。

…だから好き。
みんと

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