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異人たちのHKのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
2.8
ディズニー・プラス無料お試し期間終了間近の新作追加。
『オーメン・ザ・ファースト』に続き本作も見放題で配信されたので鑑賞。
山田太一の原作と邦画版が好き(全面的にとは言いませんが)なので気になりつつも、予告編を観てあまりのイメージの違いにとまどい劇場スルーした作品。

無料ならば、と勇気を出して観てみましたが・・・
う~ん、やはりこちらが期待する感動ポイントはズレまくり。
これが日本人と英国人との差という単純な問題だとは思いませんが、あまりにも感覚が違いすぎ。

まず、死んだはずの両親に会った主人公の感動がたいして感じられない。
あまり嬉しそうじゃないし、淡々としすぎ。
邦画の風間杜夫のように、信じられないけど嬉しすぎてはしゃいでしまう感情の起伏が感じられない。

主人公の両親もどうも我が強すぎ(クレア・フォイもジェイミー・ベルも好みの俳優なのに)。
邦画の片岡鶴太郎や秋吉久美子のような、幼いときに別れた我が子を全肯定する無償の愛が感じられない。
奇跡的な再会なのに親子で不満のぶつけ合い・・・この方がリアルでしょと言いたいのか。

主人公はゲイだが、この映画にはゲイにしかわからない良さがあるのだろうか。
そして男二人が愛の世界にドップリとはまったままま何も回収しないで終わるラスト。
最期はお星さまに・・・なんじゃそりゃ。

ゲイに限らず、もともと恋愛映画が苦手な私には本作はほとんど楽しめず。
英国ならもっとゴシックな幻想と怪奇の要素があるかもとも思ったがそれもナシ。
なんだか終始ジメジメウジウジ。
故山田太一は本作を観たのだろうか。
もし観たのならどう思ったのだろうか。
予告編を観て感じたイヤな予感はほぼ全て的中してしまった・・・
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