りんごチャン

華岡青洲の妻のりんごチャンのレビュー・感想・評価

華岡青洲の妻(1967年製作の映画)
4.0
今読んでいる「世にも奇妙な人体実験の歴史」に華岡青洲の事が書かれている。世界で初めて全身麻酔下での乳がん手術を成功させた外科医で過去にドラマになったことも。今作が偶然にも京都でスクリーン上映するとの情報をキャッチ。ちょっと足を伸ばして観に行ってきた。

紀州。華岡雲平(のちの青洲)の元に嫁いだ加恵はかねてから憧れていた美しい姑於継とその娘たちとで仲良く家を切り盛りする。婚姻当時京都へ遊学中だった雲平が戻ると於継の態度は一変し加恵に冷たくなる(眉毛のない高峰秀子ははまり役)。雲平の麻酔薬研究がいよいよ大詰めを迎える頃加恵と於継は人体実験の被験者の座を奪い合う。そして...。

奪い合うほどの魅力を全く感じない人体実験の座を嫁姑が取り合うなんて美談にも程がある。実際は他の親族の協力もあったらしいですね。協力したのは人間だけじゃなくイヌネコも。ほんとにネコを虐待してるシーンや四肢が麻痺してヨロヨロと歩くネコの登場に絶句。いま当たり前に使われているものの誕生には多くの犠牲が必要だったんだな。なかなか面白い?作品だった。