kazu1961

アタラント号のkazu1961のレビュー・感想・評価

アタラント号(1934年製作の映画)
3.8
▪️JPTitle :「アタラント号」
ORTitle:「L'Atalante」
▪️First Release Year : 1934
▪️JP Release Date : 1991/11/15
▪️Production Country : フランス
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-231 再鑑賞
🕰Running Time : 84分
▪️Director : ジャン・ヴィゴ
▪️Writer : ジャン・ギネ、ジャン・ヴィゴ、アルベール・リエラ
▪️MusicD : モーリス・ジョベール
▪️Cast : ミシェル・シモン、ディタ・パルロ
▪️Review
🖋ストーリーはストーレートな恋愛ものですが、そこはジャン・ヴィゴ、自由奔放な詩的な表現や、ユーモラス、そして時折り差し込まれるヴィゴ特有の官能の表現などが包み込んでくれるような、そんな作品です。観賞後にはホワッとした多幸感が。

🖋本作、ジャン・ヴィゴ監督による唯一の長編劇映画であり、34年に病没したヴィゴの最後の監督作、かつ映画史上に残るフランス映画の傑作として知られています。男と女の肉体的、感情的な違い、だからすれ違い、最後に一つになれた時には多幸感を与えてくれます。愛することの情熱、愛されることの歓び。溢れだすウィットと澄み切った情緒、そして官能、ヴィゴの映像たる所以ですね、

🖋いくつかの印象的なシーン。老水夫ジュールが
蓄音機が壊れて指でレコード針の代わりにレコード版をなぞると音がするシーン、『競泳選手ジャン・タリス』での経験が生きた船長が河に飛び込む水中撮影シーン、そして映画史でも官能的な映像と言われている、離れ離れになったジャンとジュリエットの体が互いにセクシャルな姿勢を捉えたモンタージュシーン。など演出や映像の見所もあります。

🖋そして終始ユーモラスな存在感を発揮し、客観的にジャンとジュリエットを見つめている老水夫ジュールを演じるM・シモンは天使にさえ見えてきます。

🖋本作、1990年になってほぼ原型に近い形に修復されたバージョンの公開によって、日本でもようやく一般に見られるようになりました。「ポンヌフの恋人」の着想の元になった映画、ラストのイメージの元となったのも本作だと言われています。

🖋物語は。。。
艀船アタラント号に乗船した、船長のジャンとジュリエットの新婚カップル。はじめは新婚生活にときめいていたジュリエットでしたが、狭い船内の単調な生活に息が詰まってきます。アタラント号がパリへ到着すると、ジュリエットは大都会への憧れを抑えきれず。。。

▪️Overview (映画. comより)
短編を含めてわずか4作品しか残せず、29歳の若さで他界したフランスの伝説的映画作家ジャン・ビゴが1934年に発表した、遺作にして唯一の長編監督作。田舎町とル・アーブルを結ぶ艀船アタラント号に、船長のジャンと、ジャンと結婚したばかりのジュリエット、変わり者の老水夫ジュール、少年水夫、そして何匹かの猫が乗っていた。新婚生活に心ときめかせていたジュリエットだったが、単調な水上生活と狭い船内を次第に息苦しく感じるようになる。やがてアタラント号はパリに着き、ジャンとジュリエットはダンスホールにでかけるが、そこで出会った行商人の男にジュリエットが口説かれる。田舎娘のジュリエットは大都会パリへの憧れを抑えきれず、夜にこっそり船を抜け出してしまう。怒ったジャンは、ジュリエットをおいて出航してしまうが……。オリジナルバージョンが長らく失われていたが、オリジナルに近いネガの発見により1990年に復元され、日本でも91年に劇場公開された。2018年12月には、4Kレストア版が劇場公開。
kazu1961

kazu1961