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アタラント号のmingoのレビュー・感想・評価

アタラント号(1934年製作の映画)
4.4
29歳で亡くなったフランス映画の至宝ジャンヴィゴの人生を賭けた渾身の映画がついに現代にきた。初公開時タイトル「過ぎ行く船」。イメフォではすでに2週間の延長上映が決定したらしい。
山中貞雄の「人情紙風船」に匹敵する本作は間違いなく世界が認める傑作である。
映像と音響が混ざり合うアタラント号、つまりは映画そのもの。川の中に好きな人が映るんだよにのっとって映像を探す。ミシェルシモンが音響を探す。船で映像と音が出会い直す、彼の部屋が日本だったり色んなものがある。ホルマリン漬けの手、ジャンパンヌメの私物。ひとつの秩序で成り立っている。

以下トークショーメモ(2018.6.14)
新学期操行ゼロが作られていなければアタラントは撮られなかったくらい2つの作品の結びつきは強い。プロデューサージャックルイヌネーゼの二本立てでもあり、馬が好きでビゴに出会って新学期が撮られた。当時思想が過激で上映禁止。父はアナーキスト。ジャンギネという銀行家の脚本をビゴに与えて映画にしよう。アンドレアントワーヌは一瞬したが批評家からは好評だった。1940年アンリフォーベがゴーモンから買いとって、シャロンキパースじゃなくてアタラントとして公開した。1950年以降シネクラブで浸透していく、1990年カンヌでプレミア上映、ショット単位のデクパージュ表が残っている。2001年デジタル修復、DVDはこれ。どのverみても幻。
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