“君は、覚えている?”
アニメは画力じゃなくて、ストーリテリング能力だって誰かが言ってたけど、まさにそれに尽きる作品だった。セリフなしでここまで沢山の人の心を動かし、劇場に足を運ばせるのは本当に稀有で素晴らしいこと。
冒頭からテレビゲームのピコピコやレンチンの後のジュワジャワ音がすでに心地よく、目でも耳でも楽しい。アース・ウインド・ファイアーの“September”が物語の語り手と言えるくらい大事な役割を果たしているけど、アースの楽曲を使用した作品ってほんと外れないよなぁ…。
友情だって恋愛だって思い通りに行くわけではないし、偶然が掛け違い合って、一生続くと思った関係は呆気なく去ってしまう。でも、ある日ふと思い出して、あの時は楽しかったよね、君にで出会えたことが僕にとっては宝物だったよった思えるのならば、短い人生でこんなに美しいことはない。別に一緒に居続けることだけが正解じゃ無いってことは、多分多くにとって心の支えになるんだろうな。
泣く気満々で挑んだけれど、多分自分が天邪鬼で絶対泣けると言われると全然泣けなくて、ちょっと期待しすぎたってところはあった…(笑)作品としてはとても良いと思います。