みてべいびー

勝手にしやがれのみてべいびーのレビュー・感想・評価

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)
3.9
フランス映画は苦手傾向にあるから笑、期待しないで観たんだけど好きだった。物語が破綻してるタイプの映画なのかと思いきや、何ならシンプルで一貫性もあってよかった。ジャンプカットは当時で言えば革命的だったに違いないし、今観ても洒落が効いてる。
ミシェルがパトリシアの部屋に忍び込んでる場面が一番濃くて好きかな。ただただ男は女を口説き続け、女は迷い続けてるだけなのに、しっかり二人の人間性も関係性も見える会話劇。ミシェルめっちゃしょうもないやつだけど、たまに言うことが的を射てるから面白い。
「女は8日後にすることを8秒後だと嫌がる」とか笑ったし、
ミシェルがパトリシアをハグしたあと
「時々火星人の顔になる」って言って、
「月に近いとそうなるの」って返すところとか、
「悲しみと無ならどちらを選ぶ?」と聞かれて
「悲しみなんてくだらん、無を選ぶね
よくもないが悲しみは妥協だ
全てか無か
今それがわかった」ってのも深い。
一番好きだったのは、「人生最大の野望は?」というパトリシアの問いに
作家が「不老不死になって死ぬこと」って答えるところ。超かっけぇ、そんなこと思いつくウィッティーさほしいわ。
そしてJean Sebergは美しいね、新聞記者とキスしてる時のショットが綺麗すぎた。
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