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あいつの声のICHIのレビュー・感想・評価

あいつの声(2007年製作の映画)
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ドキュメンタリーに近いのでなんとも終始シリアスな作品だった。

ちょっと評価をつけることができない。

追悼の意味と犯人を見つけてほしいという気持ちが作品を起ち上げたといった感じだった。

主役のソル・ギョングは、『ペパーミント・キャンディ』のラストシーンも同じく、空を見上げて涙を流すシーンが似合う。

同じく放送局のキャスター役でハ・ジョンウを主役にした『テロ・ライブ』との比較も面白い。

ファンジョンミンが父親役だった何かの作品もたしかそうだったが、韓国映画ではよく、夜遅く呑んできて帰宅した父が、寝ている息子の部屋にわざわざ挨拶しに来て、息子がイヤイヤ酒臭い父の頬にキスする、みたいなシーンがある。

「殴られたら殴り返せ」「男は豪快に生きるもんだ」「多少太っていたっていいんだ。男は自由に生きろ」みたいなごたくをわちゃわちゃと息子を可愛がりながら言う。そういう親バカ的な家族愛、親子愛、スキンシップの描写は、固定概念的に植え付けられている我々日本人の父対息子の関係性とは明らかに違い、わたしは好きだなといつも思う。
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