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接吻泥棒の3104のレビュー・感想・評価

接吻泥棒(1960年製作の映画)
3.3
赤色と青色(ボクシングのコーナーがモチーフ)に導かれて、物語の主人公2人の様子が交互に描かれるアバン~週刊の表紙を象ったタイトル画面までの流れが小気味よい。
作品自体もそこから終始テンポよく進むが、結局こう終わるでしょ?と展開が読めてしまう直線的な流れ。最後に「原作者」を出して続きを書くように頼むメタ的なオチも、映画の評価やクオリティを上げるには至らず。

ハンサム宝田明を巡る女性たちの狂騒を軸に描くライトなラブコメディで、いかにも明るい東宝映画といった趣き。川島雄三色はごく薄めでさして何も考えずに観て楽しむ映画なり。雇われ監督でござい。

「空飛ぶマダム」役の新珠さん。普段(特に日活時代)はあまりなかった明るい役が新鮮だが個人的には愁いや哀しさを湛えた役のほうが好きだなぁ。

序盤のカーチェイス時などに当時の東京の景色を、その後の事故シーンでは当時のスタジオの広いオープンセットが堪能できる。
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