邦題『リトルハンプトンの怪文書』
オスカー俳優オリヴィア•コールマン×ジェシー•バックリー共演。
脇役はティモシー•スポール他イギリスの名優たち。そのアンサンブルで描くミステリーコメディ。
1920年代にイギリスで起きた"誹謗中傷の手紙"事件の実話に着想を得た作品で、日本劇場未公開がもったいない良作で楽しめました。
イギリス南東部の海辺の街リトルハンプトン。そこで生まれ育ったイーディス(コールマン)は敬虔なクリスチャン。独身で両親と慎ましく暮らしている。
ある時からイーディス宛に届く手紙が19通目になった。その内容はとても口に出せないような下品で冒涜的な言葉が羅列されていた。あまりの罵詈雑言で母親は娘を思い涙を流すほど。高慢で厳格な父エドワード(スポール)は怒り心頭で騒ぎ出す。
隣人はアイルランドから越して来たシングルマザーのローズ(バックリー)、娘と彼氏と自由奔放に暮らしているが、普段からあまりの口の悪さが近所で評判だった。
間違いなくローズの仕業と思い込むエドワードは手紙を持って警察に届けに行く。すると警察もあっさりとローズを容疑者として勾留してしまう。しかし、若い女性警察官のグラティスだけは手紙の筆跡がローズと違うのが気になり、正直者の街の女性達と力を合わせて単独捜査を始めるのだった。
イギリスコメディ独特の面白さがあるのですが、当時の女性軽視、家父長制度への怒りが根底です。
イーディスは父親への長年の圧力に対しての不満が爆発。
女性警察官は結婚も子供を産むことも禁じられていたなんて。
いや〜、コールマンとバックリーの芸達者2人のやり取りは安心して眺めていられます、つまらない訳ないです。