題材が題材だしスケールも規格外だもんで重厚さや壮大さから逃れられないであろうことは安易に想像がつくのだけれど、3D技術を用いるからには全てがそこにあるように/それをつぶさに見つめるためのディレクションが施されてるんだろうなと思ってたんです。
予告編をみた限り、製作の意図やディテールをより深く理解するアシスト的な作風を想像してたしそれを求めてもいたのだけれど、実際には深遠さをより強固にする装飾が付加されてたなーという印象。作品とアトリエ、アトリエと外界、無と存在、罪と忘却といったあらゆる境目が消失する感覚に陥りました。映画というフォーマットにおいてはこれが最も収まりが良いのかもしれませんけど、観る側にある種の緊張を強いたまま解釈を委ねるのであればもう少しメリハリのある筋立てにしてほしかったです。