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ショコラのsonozyのレビュー・感想・評価

ショコラ(1988年製作の映画)
4.0
1988年 仏/西独/カメルーン 女性監督クレール・ドゥニのデビュー作
カンヌ国際映画祭 コンペティション部門ノミネート
National Board of Review: Top Foreign Films

アフリカ・カメルーンを一人旅する女性France(ミレーユ・ペリエ)。
偶然出会った黒人父子の車の中で、幼い頃のカメルーンでの日々を回想する。
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1950年代末、独立直前のカメルーン。行政官Marc(フランソワ・クリュゼ)は妻Aimée(ジュリア・ボッシ)と幼い娘Franceを伴い赴任。
黒人原住民たちを使用人として抱え、Marcは監督区の巡回でしばしば家を留守にし、使用人Protée(イザアック・ド・バンコレ)に妻と娘の面倒を頼んでいる。
FranceはProtéeが大好きで仲良し。Aiméeはストレスから苛立つことも多く、Protéeや料理人に度々怒鳴っているが、Protéeに対する心のざわめきが垣間見える。

ある日、小型飛行機が緊急着陸し、Marc一家はその乗務員達を一時泊まらせることになる。
部屋を使おうとせず使用人達と過ごす不思議なムードの若者、あからさまな人種差別発言が多いオッサン、妻が体調を崩す新婚夫婦など..いろいろと騒がしい日々が続く。
ある夜、Protéeに惹かれているAiméeは...(二人のエロスが漂う微妙な感じがいいです。)
幼いFranceはこの様々な状況を静かに見つめている存在。
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そして、ラストは再び導入の場面(現在)のFranceの旅に戻ります。

クレール・ドゥニは、幼少期を植民地行政官の父の赴任地であるアフリカの国々を転々としていた経験を持つそうで、人種問題/異文化問題をテーマに含んだ作品が多いようですが、強いメッセージ性があるわけではなく、その負の感情も絶妙な空気感として感じ取れるという印象。

Aimée役のジュリア・ボッシは、この作品以外目立ったものはなさそうですが、ヒステリックとエロティックのはざま的な魅惑に溢れてました。
Protée役のイザアック・ド・バンコレは、先日見た『パリ、18区、夜。』のパリ編でドライバー役でしたが、あの顔つきがいいですね。
Marc役のフランソワ・クリュゼは『最強のふたり』でも思いましたが、ダスティン・ホフマンに似てますね〜
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