2024.07.23
予告を見て気になった作品。
2016年に発行され、2017年にミリオンセラーとなった佐藤愛子による同名エッセイと、それきまつわるお話。
断筆宣言をした作家・佐藤愛子は、老いによる身体の不調を理由に外に出ることもなく、特に何もない日々を過ごしていた。
一方、とある出版社では、九十歳を迎える佐藤愛子にエッセイを書いてもらおうという企画が持ち上がっており、パワハラ問題で担当部署に左遷させられた編集者・吉川が、愛子に再び筆を取ってもらおうと動き出す。
自分が若かった頃とは違う社会に対する不満やそれらに対する受容、様々なことを経験してきた人生のことを、愛子はエッセイとして筆を走らせる。
はぁ〜ん、これもこれで邦画ならではのコメディでしたね。
人生100年時代とはいえ、いつどうなってもおかしくない状態で生活することに対し、ネガティブな感情ではなくあくまでポジティブ(?)に向き合っていく、強いともまた違う強かな愛子の姿が描かれていました。
一応若者側なので、愛子や吉川の言う最近の若いもんとか便利すぎる世の中とかには全然共感できず、どちらかというとおいおいそれは違うだろうよという目線で観ていました。
そうしてみると面白いことに、愛子に対しては全く嫌いになれない、不思議と好きになってしまうような感覚でしたが、吉川については特にこれといった救いもなく愛着も湧かず、そりゃそうなるわな感じの、ヘイトが溜まるキャラでもないけど愛されるダメンズでもない、変なキャラで落ち着いていたように思います。
だけどそれでも作品から浮いたようには見えないのだから、唐沢寿明の演技さすがって感じでしたね。