Shelby

パーマネント・バケーションのShelbyのレビュー・感想・評価

3.2
コーヒー&シガレッツがどハマりだったのもあり、ジャームッシュの作品を他にも見てみたいと思い鑑賞。しかし、あまり自分にはハマらず。

常に一つの場所に留まっていられない主人公アリー。自分の原点を振り返るため、生まれ育った街を歩き回り、精神的に病んでいる母親に会いに行くも、会話すらまともに成り立たず挨拶もそこそこにすぐさまその場を立ち去る。
街の怪しげな人々にも臆せず声をかけて行ったり、マダムの乗る車を盗んでそれを売り捌いて金にしたりと若さゆえのなのか大胆な行動が多く見受けられる。
彼の境遇を考えれば、孤独な生い立ちからくる焦りや不安。そういった感情を消し去る為、夜な夜な歩き回らなければならない行動に駆り立てられているように思えた。
心の声に従い、自分の場所を彷徨い求める彼の後ろ姿が寂しげに見え、その気持ちが分からんでもないのがまた切ない。

徐々に遠ざかっていくニューヨークの町並みと共にサックスで奏でるやる気なさげな虹の彼方に、が流れる。
これまた余韻のある終わり方だった。
Shelby

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