フィリップ・K・ディック × スティーヴン・スピルバーグ×トム・クルーズによる近未来ディストピアSF映画。
撮影はヤヌス・カミンスキーによる硬派でクールな画作りが特徴的だ。
音楽はジョン・ウィリアムスで、映画をさらに格式高いものとしている。
2002年の製作段階で、近未来世界観の考証が研究されつくされていて、その正確さに驚かされる。すでに現在それに近しいものがちらほら存在しているし、今後そのように発展するであろう説得力のあるものになっている。
そして、その世界観内で繰り広げる追走と追跡は映画的面白さに満ち満ちている。
2054年には、予知警察によりセキュリティーがはるかに向上しているが、虹彩認証が進みどこに行っても逃げ場はなく、プライバシーは存在しないように感じる超監視社会だ。広告も個人に合わせてプッシュ型のものがガンガン使われている消費大国はさらに進行している。
トム・クルーズは、過去に闇を抱えた犯罪予防局のチーフの仕事に邁進するも、突如として自分自身に殺人容疑がかかり、必死の逃亡、真相解明し、自らの容疑を晴らすべく奔走する派手なスタントシーンを含めて見所は多い。
コリン・ファレル, サマンサ・モートン, マックス・フォン・シドーら豪華出演者たちも見逃せない。
体制がシステムに頼り過ぎているディストピア世界を垣間見ることが出来る完成度の高さは一級品だ。
【トム・クルーズ映画】ランキング発表↓
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