MANA

マイノリティ・リポートのMANAのネタバレレビュー・内容・結末

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

罪は犯す前から罪なのか。
犯した後に罪となるのか。

システムにより、犯罪を予知できるようになった社会。双子と女性の3人が予知する未来の犯罪を分析し、刑事が罪を犯す前の未遂犯を捕らえる――理想的で完璧なシステムのはずだった。刑事はとある事件を調べふうちに、自分が殺人事件の未遂犯として予知される。
人間の罪はどこからが始まりなのかを問い質す映画。


重要なのは3人の予知夢者(プリコフ)のイメージが一致するかどうか。
稀に一致しないイメージについて――”マイノリティ・リポート”が生まれる。

映画のタイトルって最初は意味わからないことが多いけれど、作中でその意味が明らかになる瞬間ほど、ゾクゾクすることってないな。今回もめちゃめちゃゾクゾクした。なるほどね…!

罪は犯す前から罪か、それとも犯した後に罪になるのか。
どっちがいいのかは正直わからないけど、現代社会は犯罪に対して後手に回っているのが実情だし、結局捜査も逮捕も裁判も全部人間が人間にやることなのだから、冤罪のリスクとしては同じかな。

相変わらず美しいトム様走りを拝めました。


✂︎-----------------------------
オタクのぼやき:

『PSYCHO‐PASS』の世界観はここを元にされていたりして。
犯罪を予知できる、そして防げる可能性がある社会。
映画ほど進歩はしていなくても、現実の社会にもこういう技術はそろそろ出てきていてもおかしくはないかも。

完璧なシステムが作る、安全な社会。
その完璧さ、絶対性は社会に向けて保証されなければならない。
しかし必ず欠陥やイレギュラーは存在する――完璧なものなんてないんだな、やっぱりね――”マイノリティリポート”の存在は、無実で逮捕される者・逮捕された者が身の潔白を証明する唯一の手掛かり。

そもそも犯罪をしていないのに予知夢だけで逮捕される社会において、自分が白いことを証明するのは至難の業すぎる。やったことを証明するよりやっていないことを証明するほうがはるかに難しい、”悪魔の証明”。
今の社会でもそうだけど、冤罪って恐ろしい。

プリコフが予知できる犯罪とそうでない犯罪があるのかな。
……まぁ、あるってことだよな……
終盤、味方かと思っていた偉いオジイチャンがしっかり人殺してるし。
中盤から完全にミスリードされていた……(そもそも私はミスリードされがちでチョロいんだけど笑)!

子供に対する犯罪は目も当てられない。
誘拐、性犯罪、殺人、虐待、ネグレクト。
大人が大人に対する犯罪よりも、大人が子供に対する犯罪はほんと見てられない。
犯罪に大小ないけど、子供への犯罪だけは頼むから起こらないで……
目を離して子供が誘拐されるとか、一生抱えるもんなぁ……
『人魚の眠る家』もそうだったけど、特にプールが怖すぎる……

システムの創立者である植物園のおばちゃんが厳しすぎて笑ったwwwww
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